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書き下ろし漫画原作とコミカライズの違いについて思うこと

前回、書き下ろし漫画原作について記事書いたら、(内輪で)けっこう好評だったので続きもどきを。

これはあくまで私見なので、いや違う! とおっしゃる方もいるかもしれないけれど、私の中では「漫画原作者」とは、書き下ろし漫画用の原作を執筆するのが原則と考えています。理由は、純粋に、制作&構成の仕方がまったく違うからです。

小説の場合は、自分の脳内で描いている情景を文章にして表現する。そこには「小説を書く」という作業以外ない。でも、これが大変なわけね。文章のお作法がいーっぱいあるから。
コミカライズが決まれば、あとはマンガ家さんがひたすらコマ割りをして、ネームを起こしてくださる。ここでの著者はなにもしない。
※この後、コミカライズをされている作家さんとお話をする機会があり、話のつじつまが合っているかどうかなどの確認作業があるので、まったくなにもしないわけではないよ、と教えてくださいました。私もコミカライズしてもらった作品もありますし、いつの間にかコミックスになっていたとおっしゃる人もいて、てっきり自分の経験がオールだと思ってましたが、そうでないんだな、と思い、この記事に補足しておきます。先に読んだ方で、「違うよ!」」と思われた方がいらっしゃったらすみませんでした。。🙇

対して書き下ろし漫画原作は、マンガ家さんの絵柄や、得意不得意を考慮し、編集担当さんと話し合って物語の筋を決め、マンガ家さんの意見を聞いてあらすじを制作し、OKが出たらシナリオに起こす。
頭の中では状況をコマで考え、設定されたマンガのページ数(多くが1話23P ← 1Pは表紙なので)に入るように物語の展開を考える。ネームは切れないけど、すべての動作はコマの中に収まっている状態をイメージしている。

TL漫画の場合、23Pの中に官能シーンを入れ、ヒーローのドヤ顔 or 決めポーズがはいるような見せ場を入れ、連載の次の回に興味を持ってもらうように終わらせる。しかもパケットになった時、2つに分かれるので、できたら前と後ろに官能シーンを入れる。
それを6話分 繰り返し、4話以降特に盛り上がるように話を構成する。
ちなみに多くが6話。これはコミックス化した時の1冊分なんで、ほぼ厳守のページ数。

だからシナリオのボリュームが必ず版元が求めているマンガのページ数に収まるように書かないといけないのだけど、描くのはマンガ家さんなので、取捨選択できるように、若干多めに書き記しておく。
この配分がなかなか大変・・・・

さらにマンガ家さんによってタイプが違って、自分の好みを多分に入れる方と、ほとんどそのまま描かれる方と、最初はそのままだけど、最後に行くにつれて変わってくる方がいるし、同じ人でも作品によって違ったりするので、なるべく負担がないように、マンガになった時をイメージしてシナリオを起こす。
自分が最終表現者ではないので、好きなように好きな分量書けるわけじゃない。
この大変さはコミカライズされる小説と全然違うので、私は区別している。

あと、おそらく原稿料の支払いも違うんじゃないかな。
たぶんだけ、コミカライズの場合、コスト回収でき、利益が発生してから著者さんに印税が支払われると思うのだけど、書き下ろし漫画原作はマンガ1Pに対して原稿料が出るので、切り口はマンガ家さんと同じ。
ただし、昔は折半だったと聞いているけど、今はぜんぜん違うんで。(労働力が全然違うから当たり前)

と、ここまで書くと、なんだか「おいらは苦労しているんだ」と取られそうな感じがしなくもないけど、それもまったく違う。
小説とシナリオでは、全体の労働量が雲泥の差なので、小説を書く、というのは大変ですよ。
シナリオは文章力がそれほどなくても書けるんでね、ト書きだから。
世の中に出ないので、編集担当さんとマンガ家さんにだけ通じればいいので、設定資料にURLとか書いて、こんなのをイメージしています!とか書いてますよw
でも小説は最終表現者が著者なので、文章すべて著者が描き切らないといけない。
文筆業の中で特に小説家が偉いとされるのは、ここ所以ですね。

そういうわけで、全責任を著者が負う負担の大きい小説からのコミカライズと、負担は少ないけど、マンガ家さんとそのマンガ家さんのファンを想って制作する書き下ろし漫画原作は、やっぱり違うと思うのです。


あと、技術的な面では、書き下ろし漫画原作は絵で表現しないといけないので情緒的な表現ができないから、できる限り形容詞や修飾語を使わず、動詞をメインに書くように心がけてます。

例えば「優しく頬を撫でた」と書いても、優しくってどう優しいのかわからない。なので、手の甲で頬を撫でる、とか手のひらを顎に当て親指で撫でる・・・など、具体的な動作にする、とか。


もう一つ決定的に違うのは、地文で作品=世界観を表現できないので、キャラクターを個性的にし、セリフで表現していかないといけないので、地文得意な人は向かないですね。
そういう意味でも、私は以前からセリフが多いとか、地文あんまり書かないとか、レビューされるんで、原作に向いているのかもしれません。

それから・・・・最近、ちょこちょこ出てきてはいるものの、TL漫画は圧倒的に現代ものだから、ヒストリカル系&ファンタジー系の作品が好きな方も、なかなか原作の仕事取れないかもしれません。
少女漫画ならなんでもいいけど少女漫画家さんは自分で話を考えられる方が多いので原作家の出番はほとんどない。むしろ少年漫画のほうが多い。

あ、もう一つ。
マンガ家さんが一人で描かれている作品と同じような感じの作品は、採用されにくいと思います。
というのは、わざわざ原稿料を支払って原作家に依頼するんだから、捻ったものがほしいと思うのは編集担当さん当然の欲求。
今、流行っているものに乗っかかって企画書出しても、採用されにくいんじゃないかな、と思います。
そして企画が通っても、思いっきり紆余曲折します。
なので、自分の書きたい作品がマンガになる・・・というイメージは持たないほうがいいと思う。むしろ書きたいものは書かせてもらえないかも・・・・
もし、自分の思い描く作品をマンガで世に出したい・・・と願うのならば、売れる小説を書いてコミカライズしてもらうのが早くて最善と思います。路は違えど、ゴールは同じなんでね。

とはいえ、私の場合は、担当したすべてのマンガに関してはマンガ家さんのものだと思っていますけど(/ω\)
ということで、書き下ろし漫画原作者を目指しているみなさん、ファイトです!






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朝陽ゆりね

Author:朝陽ゆりね
漫画原作&各ジャンル小説執筆。
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